戒名の道号とは
仏の弟子になった事を表す戒名は二文字で表されるもので、その後には院号などが続く事で一つの名前を作り上げます。
道号とは?
一昔前は全体的に短い名前がつけられていたのですが、称号などが付け足される事によって、一般の方々の名前も長いものに変化していきました。道号は悟りを得た人に与えられる称号なので、一昔前は一部の人しかつける事が許されませんでしたが、現在では多くの方々が名前につけています。
道号の成り立ちと変化
自己の悟りや願いを込めて付けられる名前なので、本来は熱心に修行を続けた人がつけるものです。しかし現在では格式を上に見せるために多くの人がつけるようになっており、悟りの内容とは違ったものを表現する事が増えています。従来であれば未成年者には道号はつけないのですが、現在では未成年の故人の人生を表すためにつけられる事も増えてきました。故人の年齢によって称号をつけてられないのはおかしいと考える人が多いためで、未成年の故人には習い事に関する字などが使われる事もあります。
現在の道号は個人の特徴をイメージしてつけられる事が多く、戒名の全体的なイメージに合う言葉が選ばれるものだと考えてください。これまで続けてきた仕事に関する文字が入れられる事も増えていて、大工などの仕事をやっていた人に対しては木などの文字が入る事もあります。2文字ほどで個人の特徴を再現する事になり、じっくりと考える必要がある部分だからこそ、何週間も考え直しながら道号を決める人も珍しくありません。
生前に名前をつけてもらう際には、本人や家族と話し合いながら決める事も多く、趣味や特技に関する文字を入れる事もあります。漫画家など別名を生前に持っていた方々に対してはペンネームがつけられる事もあり、自由に名前を選べる部分なので一番時間をかけて決めるという人もいます。
道号を決める際に注意すべき点とは?
自由度が高いのですが注意するべき点もあり、入れるのに相応しくない文字も複数あると言われており、縁起の悪い漢字は避けなければいけません。死や病といった漢字は縁起が悪いと言われていますし、祝や笑などの明るいイメージを持つ漢字も避ける必要があります。手や足や首などの人間の身体の部位に関する漢字も避けるべきだと言われており、個人だけで戒名を決めようと考えている方々は注意が必要です。亡くなった場所や死因に関する文字を入れるのも不吉なので、話し合いをしながら漢字を決める事をおすすめします。
生まれた土地などをイメージした単語を入れるのは問題ないので、川や海や山などの漢字を使いながら、故郷を思い出せる名前にしたいと考える人も珍しくありません。故郷の地名をそのまま入れる事もあり、名前の決め方は自由度がとても高いので時間をかけて考える必要があります。長生きをした人に対しては老や翁などの字が使われる事も多く、長寿だったという事を名前という形で残す事が可能です。ただし長寿だったという事を伝えるために、寿を使ってしまうと祝い事のようなイメージ持たれる事になりかねません。故人を偲ぶために付けられる名前だという事も忘れずに、家族とも話し合いながら字を決める事を推奨します。