お坊さんへの御膳料ってなんで必要なの?
御膳料は葬儀や法事の際にお坊さんにお渡しする食事代のことで、地域によって不要な場合もありますが、一般的には必要とします。本来であれば、読経した後も遺族と共にお膳を共にし、思い出話などをして故人を偲ぶものですが、現在はお寺の方との親交がそこまで無いケースがほとんどで、葬儀や法事での読経が終わると、短時間の説教だけ行い帰る僧侶がほとんどです。
御膳料とは?
このため用意すべきお膳に替えて、食事代として包むようになったのが御膳料で、相場も地域によって異なります。通常はお布施や御車代とは別に御膳料を包みますが、このような仕来りが徐々に無くなりつつある地域も存在します。
例えば北海道の一部地域では、お布施と御車代だけを包むのが一般的になっていますし、法事の予約をした際に御膳料は必要ない旨を寺院がハッキリ伝えることも少なくありません。引越して間もないときなど、地域の慣習が不明でどうすべきかわからない場合は、必要かどうかを直接お寺へ聞けば教えてくれますから安心です。
とは言え未だにこの慣習が続いている地域は多いため、このような地域でお坊さんが会食に参加しない場合は事前に準備しておく必要があります。現在のお坊さんは多忙でスケジュールが詰まっていますから、終了次第他の法事へ向かうケースが多いため、一緒に膳を囲むことはほとんどありませんから、必要なものと思っていた方が良いでしょう。
法事の場合は注意が必要
特に法事の場合、斎場を借りて行う葬儀のように担当者がタイミングや金額を教えてくれませんから、前もって封筒の種類や書き方、相場などを調べておくべきです。もし忘れていたとしても、お坊さんがわざわざ催促することはありませんから、後々恥をかくことになります。
御膳料の金額の相場
金額については地域によって大きく異なり、葬儀や法事の規模でも若干変わってきますが、都心部や大都市では1万円程度、地方でも5000円程度は必要です。ホテルで法事などの会食を予約し、その金額と同額とするケースもあるようですが、半端な金額にせず切りの良い金額とします。
御膳料を包む際の注意事項
封筒は「御膳料」と書かれたのし袋が市販されていますから、お金を白い紙で包んだうえで封筒に入れます。水引きの入っているタイプもありますが、通常は水引きは無くても構いませんが、葬儀や法事の規模が大きい時、僧侶の人数が多い時などは水引きのある封筒とします。御膳料は当然ながらお布施とは別に渡しますが、地域によってはほかに御車代も渡すのが常識です。
もし封筒が売っていなかった場合は、白い封筒の半分より上部分に筆で「御膳料」と書き、下部分に名字と「家」の文字を記入します。葬儀の場合は地域によっては喪主が渡しますから、喪主の氏名をフルネームで書きます。
使用する墨は濃い墨を使用します。筆以外ではできる限り色がこい筆ペンか、もしくは筆に似た字体を用い、濃い黒で印刷しても構いません。
封筒の裏面は、できるだけ左側部分に住所と電話番号を記入し、その下部分に金額を漢数字、かつ旧字体で書き込み、最後に「也」の字を追加します。例えば5000円であれば「金五仟圓也」、10000円は「金壱萬圓也」としますが、最近は円は旧字体ではなくても特に問題とはなりません。
中に入れるお札は必ず新札か、新札が無い場合はできる限りシワの無い綺麗なものを選びます。これは僧侶に対して最大限の礼を尽くす意味がありますから、古いお札を入れるのは非常識です。もしふさわしいお札が手元に無い場合は、銀行や郵便局の窓口で新札希望のチェックを入れて両替するか、新札専用のATMからお金を引き出す方法もあります。数枚程度の両替であれば無料です。
土日や祝祭日、営業時間外で銀行が開いていない時は、斎場などであれば新札に替えてくれる場合がありますから確認してみましょう。他ではコンビニエンスストアのATMは、比較的新札を揃えていることが多いため、どうしても入手できない場合はコンビニエンスストアで引き出すという手もあります。
封筒にお金を入れる時は、お札の肖像が封筒の表面を向くようにします。これはお車代やお布施も同様ですが、葬儀に参列する際に渡すお香典は逆に入れるため、混乱しないよう注意が必要です。
お坊さんに手渡す際には、一番上にお布施の封筒が来るように持ち、二枚目と三枚目を御膳料と御車代とし、文字を相手が読むことができる向きで渡します。
もし切手盆があれば、これらの封筒を切手盆に載せたうえで渡すのが良いでしょう。斎場であれば切手盆を借りることができますから、事前に借りておきます。切手盆にはサイズがありますので、聞かれた場合は8号とします。色を選べることもありますが、通常は黒です。切手盆の代わりに袱紗を使っても問題ありません。
御膳料を渡すタイミング
渡すタイミングは僧侶が帰るときで、その際には葬儀や法事に関してのお礼の言葉を言い終えた後、「どうぞお納めください」と丁寧に渡します。急な用事で席を外す可能性がある場合は、儀式が始まる前に渡しておきます。