はじめての葬式仏教

読経

毎日の供養のやり方と般若心経の読経について

先祖代々の人たちや亡くなった家族などを供養するということは、お墓や仏壇に花や供物を供えて、線香をつけてリンを鳴らしながら読経をしたり手を合わせてお参りをするということです。月命日や毎年の命日にお坊さんを呼んでお墓や仏壇の前で読経をしてもらうことも大きな供養の1つですが、お坊さんでなくても遺族が毎日できることがあります。

供養とは故人とのコミュニケーション

お経を唱えなくても、仏壇の前で故人に話しかけるだけでも良いのです。もし何か食べ物を頂いたときは、まず仏壇に供えたり、水やお茶、ご飯を毎日新しく入れ替えられたらなお故人も喜ぶことでしょう。線香やろうそくをつけなくても、「これ、だれだれさんから頂いたものですよ」「温かいお茶飲んでね」などと声掛けをするだけで良いのです。つまり供養とは故人とのコミュニケーションとも言えます。そしてお盆や命日などには特別に故人を厚くもてなし、仏壇をきれいにしてお坊さんを呼んだりごちそうを供えるなどをすることで十分なのです。

5つのお供えとやり方

それでも正式に供養をする場合、まずお供えしなくて行けないものが5つあります。五供というのですが、炊き立てのご飯を先ず一番に故人様に備える「飲食(おんじき)」と「浄水」といわれる水かお茶、線香の「香」と新鮮な水に行けた「花」、それにマッチを使ってろうそくに火をともす「灯明」というものです。毎日行う供養のやり方としては、朝は朝食前、夜は夕食後に家族そろって仏壇の前に行き、仏壇の扉を開け、両膝をついてご飯とお茶か水をお供えします。次にろうそくに火をつけて線香もつけ、正座をして軽く一礼した状態でリンを鳴らしてお経や念仏を唱え、再度リンを鳴らして皆で合唱・礼拝をおこないます。そのあとろうそくの火を手であおいで消してご飯もおろし、就寝前なら扉を閉めるというのが正式なやり方です。

念仏は宗派によって異なり、浄土宗と浄土真宗の場合は「南無阿弥陀仏」、日蓮宗なら「南無妙法蓮華経」、曹洞宗と臨済宗は「南無釈迦牟尼仏」、真言宗なら「南無大師遍照金剛」と唱えます。お経も、それぞれの宗派によって定められたものがあります。

般若心経とは?

しかし、どの宗派も関係なく宗派を超えて唱えられるお経があります。それは「般若心経」です。般若心経は正式名を「般若波羅密多心経」といい、4、5世紀の頃にインドで作られたといわれています。般若波羅密多とは特別な智慧という意味の固有名詞で、心経は神髄という意味があります。お経でありながらお釈迦様の教えが直接伝わったものではなく、500年後くらいにその教えを多くの人々が様々な角度から解釈してまとめられたものです。そのお経を中国の宋である三蔵法師が中国に持ち帰り、漢文にして広めたことから日本にも伝わってきたという経緯があります。漢文にされた般若心経は、たったの262文字という短いお経です。智慧というのは「物事を正しくとらえて正しく判断する力」という意味がありますが、その智慧について262文字の中に凝縮されて書かれているお経といえるのです。

それぞれの宗派で読まれるお経の本は長いので毎日読むのは大変でも、262文字という短いお経なら毎日でも読むことが可能です。仏道に入った僧侶たちは「日々のお勤め」を欠かさず行いますが、そのお勤めのことは勤行を言われていて、各宗派で形式が決められています。しかしこの勤行の中には、どの宗派も般若心経の読経が組み込まれているほど、宗派を超えたお経なのです。このように宗派に限らず、仏教が主流の日本では有名で一般に知られているので、仏壇に向かって日々読経をすることで、正式にしっかりと供養ができるということになります。

お盆の意味

お盆は1年で一番、先祖様や故人様のお参りをする行事を行う日です。多くの地域で8月13日から15日にかけて行われますが、地域によっては7月に行われるところもあります。お盆は故人様が自宅に帰ってくる日といわれていて、特に四十九日を過ぎて初めてのお盆を迎える初盆は盛大にお迎えをします。精霊棚を準備して、お釈迦様が病人を治療するときに使ったといわれる「マコモの敷物」を棚の上に敷きます。精霊にとどまってもらうように縄と笹竹で結界を作って、道案内のための提灯代わりとしてほおずきを飾ります。ご先祖様を送迎するための馬をキュウリとナスで作って、キュウリやナスをさいの目に切ったものを食べ物が不足しないようにという意味で蓮の葉に盛る「水の子」を棚に載せます。それと各宗派のお経が書かれたのぼりを立てます。これらのものと、道に迷わないよう明かりをともす盆提灯、疲れをいやすための団子を準備しておき、さらに迎えるときの道しるべとなるように迎え火も行います。

お盆にはこのようにして故人様を自宅に迎えるのが一般的ですが、浄土真宗においては、「ご先祖様が帰ってくる日」としては捉えず、仏教に触れる日という解釈でお盆を迎えています。

気持ちが大切

お盆などの行事に加え、毎日五供を供えて正式なやり方で各宗派の経本で読経をすることは、忙しい人たちにとっては大変なことですが、時々でも良いので仏壇の前に座って般若心経を唱えてみてはいかがでしょうか。

無料戒名作成

  • 日蓮宗
  • 浄土真宗
  • 真言宗
  • 浄土宗
  • 天台宗
  • 曹洞宗
  • 臨済宗
  • 法相宗
  • 黄檗宗
  • 律宗
  • 融通念仏宗
  • 時宗
  • 華厳宗
無料戒名作成 各宗派ごとに無料で戒名を作成できるプログラムを公開しています。是非、ご利用ください。