お通夜に参列するときの注意点
最近ではお葬式のスタイルも、ひと昔前に比べたら随分変わってきていますよね。家族葬や樹木葬などというのも広まりつつあって、多様性が見られるようになってきました。でも、まだまだ従来の形式を採っている家庭も多いのが現状です。参列する機会はそう多くないとは言っても、社会人としてはお通夜を行ってそれからお葬式という流れについても知っておきたいものです。
お通夜の基本的な流れ
突然誰かのお通夜に参列することになった時でも慌てないように、まずは基本的な流れについておさらいしてみましょう。
お通夜とは、本来ならば遺族や近親者だけで行われていたものでしたが、告別式が日中の時間帯に行われるのに対して、文字通り午後18時から19時頃の夜になってから行われるため、近年では告別式よりもこちらの方に参列する人が主流となってきています。
ただ、故人とかなり親しい間柄だったなどという場合は、両方の式に出るようにしましょう。時間的には大体1時間から2時間ほどで終わりますが、予期せぬこととはいえ、出来る限り始まる時間に遅れないように心掛けたいものですよね。
注意すべきマナー
お通夜でのマナ-で特に注意したいことはいくつかありますが、先ずは受付からです。
場合によっては故人との関係によって受付の列が分かれているなどということがあります。自分がどの列に属するのかを間違えないで並ぶようにしましょう。そして順番がきたら、ここでお悔やみを述べて香典をわたします。
香典袋をむき出しのまま持つのはマナ-違反となりますので注意してください。わたすまではふくさに包んだまま持つということを覚えておきましょう。香典をわたすにあたって記帳する芳名帳というのがありますから、そこに自分の住所と名前を記帳します。
ただ、突然の出来事で香典も持ち合わせがなかった、などということもあるかもしれませんよね。そんな時は記帳だけをして翌日の告別式にわたすようにすれば大丈夫なので、慌てることはありません。とはいえ、この流れを頭の中に入れておいたとしても、受付がないということだってあります。そんな時には、遺族にお悔やみを述べる時にわたすか、祭壇に供えるようにしてください。
香典をわたした時に、返礼品の引換券をもらったら受け取っておいてください。その後、祭壇が設けられている部屋へ行き、一礼をしてから入室するようにしましょう。
遺族が参列者の挨拶を受けている際には、並んで遺族にお悔やみを述べます。
次に注意したいのが、お焼香です。お焼香など滅多に行う機会がないため、どうやってやったら良いのか戸惑ってしまうという人も多いのではないでしょうか。お焼香は宗派によって微妙に異なるということもありますので、やり方がわからなかったら、前の人の方法を見て、それを真似るようにすれば失礼に当たることにはなりません。
服装にもマナーが
それから多くの人が悩むのが服装ではないでしょうか。
お通夜は告別式とは違って、急にニュ-スが入ることもあって服装の準備だって万端だという訳には行きませんよね。でも、安心してください。服装については万端である必要はまったくないのです。逆に準備が整い過ぎていたら、まるで故人が亡くなるのを予期していたかのようになってしまうからです。なので、基本的には服装は「地味な平服」で問題がないと覚えておいてください。
ただ、男性はネクタイと靴下は黒のものに替えておいた方が良いでしょう。そして女性は地味な色のワンピ-スやス-ツというのが基本です。ただ、白のブラウスは避けておくことをおすすめします。
ドラマ等で時々、お通夜のシ-ンで式が終わった後にみんなが食事をしているところを見掛けることがありますよね。あれは通夜振舞いと呼ばれ、断らないのがマナ-です。通夜振舞いは故人を供養するという意味合いを持っているので、たとえ時間がないという場合でも、少しでも良いから箸をつけるようにしてください。逆にビ-ルやお酒が振舞われたからと言って、わきまえずに飲んでしまうというのも問題です。遺族は疲労が重なっているはずなので、あまり長居をしないように切りの良いところで挨拶をして帰宅するのがスマ-トなやり方です。そして、もしも告別式に参列出来ないという場合は、不参加の旨をお詫びしておくと遺族にも好感を持ってもらえます。
大切なのは気持ち
いかがでしょうか。ほんの1時間か2時間のことでも、意外と注意事項が満載ですよね。ただ、ひとつ間違えたからといってそれほど重大なトラブルになるということもないので、慌てずに堂々と振舞うことが重要です。そして、遅刻しそうだからといって諦めてしまうというのは考えものです。遅れないことは大切ですが、遅れたとしても参加してくれたことを故人や遺族は喜ぶのではないでしょうか。30分程度の遅刻ならば、まだ式は続いているはずなので、みんなの邪魔にならないようにそっと入室してみてください。
そして大切なことは、決して形式ではなく故人を心から偲ぶ気持ちと、遺族の気持ちに寄り添うことなのではないでしょうか。参列することになったらマナ-を守りつつも、そういった部分を決して忘れないように心掛けたいものですよね。