お葬式の際の供花、どのような花が適切か。
大切な方の最期の瞬間に、心をこめてその方をお見送りする場であるお葬式。どんな方でも、人生に何度か参列する機会があるものですが、いざその機会となると、参列にあたってあらゆる疑問が出てくる方も多いのではないでしょうか。
どんな供花が適切なの?
例えば、お葬式といえば、故人の方への哀悼の気持ちを込めて贈るものに供花があります。「きょうか」もしくは「くげ」と読み、故人の方の安らかなご冥福をお祈りすると共に、葬儀会場自体を華やかに彩るという目的でも贈られます。お葬式の場で、もしくはドラマのワンシーンなどにおいて、祭壇の両脇に華やかに飾られている風景を目にしたことがあるという方もいるはずです。一般的に上部や下部には、誰から贈られたものかがわかるよう、それぞれ名札がつけられています。
お葬式にやむを得ない事情で参列できない場合や、香典を辞退されたような場合に、香典の代わりとしてに贈られることも多いものです。
なお、供花を贈るのは、故人と深い親交のあった方や、親族が中心となります。親族の場合であれば、故人との関係を表す名札をつけ、「兄弟一同」といったように複数名が共同で贈るものとされています。こうした親族から贈られたものは、祭壇中央からいちばん近いところにお供えされます。
友人の場合も同じく、連名で贈ることも少なくありませんが、生前に故人と特に親交の深かったという方は、個人名で贈ることも可能です。
また故人との間柄として、生前に仕事を通して親交を持っていたという場合には少し注意が必要です。故人と同じ職場で働いていた場合や、仕事の取引先としてお世話になっていたというような際には、送り主の個人名ではなく、所属企業名や企業名と代表者名などを名札として掲げることが主流とされています。ある程度の規模以上の企業であれば、総務部などでこうした冠婚葬祭の対応にもスムーズに対応できるかと思いますので、相談してみると良いでしょう。
供花をどこに頼めばいい?
それでは、いざ式に向けて準備しようとする際には、どこへ頼めばよいのでしょうか。供花を依頼するには、お葬式を主催される葬儀会社へ手配する方法と、専門店に依頼する方法があります。
しかし、葬儀会社の中には、他のお店などで買ったものはお供えすることができないというケースもあるようです。そのため依頼する際には、はじめにお葬式会場へ確認をとることをおすすめします。その際に不明点があれば、あわせて相談してみると良いでしょう。
葬儀会社に問い合わせると、提携しているお店を紹介してくれるという場合もあります。連絡をとる際には、事前に会場にふさわしい種類などを聞いておくことで、より供花選びがスムーズになります。
先程も触れたように、供花は親族から贈られたものが、祭壇近くに飾られるなど、お供えされる順番が決まっています。そのため、贈る際には、送り主の名義や故人とどのような関係であったのかを明確に知らせる必要があります。さらにお葬式によっては、故人の方の意思により、こうした贈り物を辞退されることもあります。葬儀会場へ事前に連絡をとることは、予期せぬトラブルを事前に回避することにもつながります。
お葬式は伝統と歴史のある重要な儀式のひとつです。故人の方の魂をきちんと供養するためにも、手配ミスや、誤って二重で手配してしまうというケースも中にはありますので、関係者の方には事前に確認をとっておきたいのです。
また、お葬式の会場では、お通夜当日の午前中から会場の飾り付けをはじめる施設が大半のため、贈るタイミングも余裕をもって伝えるようにしましょう。そして、事前にお葬式がどのような形式で行われるかについてご遺族や葬儀会社に確認しておくと安心です。
仏式や神式、無宗教のお葬式では、菊やユリ、カーネーションや胡蝶蘭といった白色を貴重としたものが主流で、そこにイエローや紫色、淡いピンクなどの色合いのものを飾るのが主流とされています。また、キリスト教の場合など、お葬式が協会で行われるということもあります。その際には、名札は使用せずにご遺族のご自宅にお贈りするのがマナーとされています。
気になる価格の相場
最後に、いちばん気になるのが価格の相場。供花は通常、一つを一基、二つを一対という数え方をします。少し前までは一対で贈るものという習慣もありましたが、近年は一基のみが主流とされています。
一基につき10,000円~30,000円の価格帯が相場とされていて、一対で贈る場合には、その倍の額の費用がかかる計算になります。基本的には、一基15,000円~20,000円程度を手配する方が多いようです。相場の価格帯を超えるものは、送り主の負担になるだけでなく、ご遺族のみなさまにも気を遣わせてしまうこともあります。価格が高ければ高いほど良いというわけではないため、こうした相場をふまえ、故人の方との関係性にふさわしい選択をしたいものです。
上記でふれた基本的なマナーをふまえ、ぜひ大切な方の最期を心を込めてお見送りしましょう。