お彼岸はいつから始まるかを知っていますか
なんとなく聞いたことはあるけれど、はっきりとお彼岸がいつから始まるのかを知らない人は多いかもしれません。春と秋にあることは知っているでしょう。どちらも春分の日と秋分の日を挟んでいます。春分の日と秋分の日がちょうど真ん中の日となっており、その前後3日間を合わせた7日間のことを言います。
お彼岸は毎年変わる?
春分の日と秋分の日は毎年変わらないと思われるかもしれません。カレンダーを毎年よく見てみると、多少ずれることがあります。毎年、必ず同じ日ではありませんので気をつけてください。
年によって数日間の違いはありますが、大体同じような時期であることにはかわりありません。春分の日は3月20日頃ですし、秋分の日は9月20日頃が多いです。きちんと日程を知るためには、毎年カレンダーを確認しておいた方が良いです。
そもそもお彼岸の日程を決めるには、春分の日と秋分の日を決めなくてはなりません。なぜならば、春分の日と秋分の日を中日とした前後7日間のことを言うからです。ニュースや天気予報などを見ていると、今日が彼岸の入りだとか彼岸明けだとかって聞いたことはありませんか。よく見ているときちんと報道されていますので、春分の日や秋分の日が近づいてきたら、注意深く見ておくと良いかもしれません。
それでは、春分の日と秋分の日はどのような日でしょうか。春分と秋分は太陽が春分点、秋分点に達した日のことです。どちらの日も太陽がちょうど天の赤道上にあります。このため、これらの日は太陽が真東から上って真西に沈みます。よく昼間と夜の時間が同じと聞きませんか。昼間の時間と夜の時間が一緒になるのは太陽が天の赤道上にあるからです。
いつ春分の日と秋分の日が決められるのでしょうか。国立天文台が作成する暦象年表に基づいて閣議決定されています。翌年の該当日は、毎年2月1日に発表されます。
ちなみに、秋のお彼岸の時期はシルバーウィークとなるため、連休となるでしょう。その年によって日付が変わってしまいますが、連休となれば外出しやすいはずです。
日程がわかったら、今度は何をするのかです。この時期になると多くの人がお墓参りをしています。連休ともなれば、故郷へ帰りやすいですから、お墓参りにも行きやすくて良いかもしれません。
お彼岸にお墓参りをする意味
なぜ、この時期にお墓参りをするのかを知っていますか。季節的に外出しやすいからだと思われるかもしれません。実は、日本の文化のように見えますが、サンスクリット語のパーラミターが語源です。パーラミターは仏教用語で、仏教にとってとても大事な概念です。
パーラミターは成就する、完成すると言う意味のサンスクリット語で、仏教の概念として用いられる場合は、欲や煩悩や苦しみに満ちた輪廻の世界から解脱して、迷いのない悟りの境地に達したことを言います。
悟りの境地であるパーラミターを川を挟んだ向こう岸である彼岸に例えたことで、お墓参りをする習慣となりました。私たちが生きている煩悩の世界のことは、こちら側の岸である此岸と呼びます。
日本では、亡くなったご先祖様は迷いのない彼岸へと旅立ちますが、時折此岸へと帰ってくると考えられています。太陽が天の赤道上にあると太陽が真東から上って真西へと沈むために、彼岸と通じやすいです。年に2回のこの時期にご先祖様を供養することでご先祖様のご冥福をお祈りすることができます。そして、それと同時に自分もいつか迷いのない彼岸へ到達できるようにとお祈りをします。
外国にはお彼岸はない?
仏教の世界のことですが、仏教のルーツであるインドや中国ではお彼岸にお墓参りをする習慣はありません。これはあくまでも日本独自の文化です。仏教を開いたお釈迦様は霊魂の存在を認めていないからです。人間は死後49日で生まれ変わるか、輪廻転生の世界から解脱するかどちらかの道を進むと考えられています。世界的に見ても、お彼岸にお墓参りをするのは日本だけです。他の国ではお墓参りをこの時期にするわけではありません。
法律で定められた祝日ですが、その目的を知っていますか。春分の日は自然をたたえ、生物をいつくしむ、秋分の日は祖先をうやまい、亡くなった方々をしのぶと定められています。
お墓参りをしたいから、いつから始まって終わるのか期間を知りたいと思っている人は多いでしょう。なんとなくいつ頃始まるのかは知っているかもしれませんが、詳しいことまではわからない人が多いかもしれません。毎年、大体同じ時期とは言え、年によっては少しずれてしまいますから気をつけてください。
もちろん、他の時期にお墓参りをしても構いません。行きたい時にお墓参りをしても良いのですが、以上の意味を知ると特にこの時期に行った方が良いだろうと思うのではありませんか。仏教のルーツであるインドとは違うというところも意外な発見だったかもしれません。大人であっても細かいことまでは知らない人も多いですし、お彼岸について知ってご先祖様を大切にしましょう。