はじめての葬式仏教

供養

供養膳(霊供膳)とは

供養膳もしくは霊供膳とは仏壇などにささげる膳のことをいいます。仏壇の前に供養膳を並べることには、仏様に対して感謝をささげるという大きな意味があります。特定の日に用意しておくことで、いつでも仏様に対する感謝の心を忘れないようにすることができます。

霊供膳の2つの意味

霊供膳には仏様に感謝をするという以外にも、ご先祖様の霊を供養するという意味も持っています。ご先祖さまが好きだったものなどを膳の上に並べることで、なくなったご先祖さまも喜んでくれます。神様とご先祖様の両方を一緒にうやまうことができるので、仏教の信徒にとっては大きな意味のある風習です。

 

供養膳を仏壇の前にそなえる日は決まっていて、故人がなくなってから四十九日に当たる日などに、そなえるのがしきたりになっています。

 

また彼岸の日などにもそなえることができ、これらの日に欠かさずに霊供膳を用意しておくことで、ご先祖様を厚く供養することができます。

霊供膳は形式を守って用意する

霊供膳を用意する場合には、形式もしっかりと守る必要があります。膳の上に置く食器の種類なども決められていて、汁物を入れる食器とおかずを入れる食器をそれぞれ決められた位置に並べて、おそなえをします。汁物を入れる食器の数は一つと決められていて、この中に味噌などで味付けをした汁を入れて、仏様のままにお供えします。おかずを入れた食器は三種類使用するのが、正式な方法です。どのようなおかずを中に入れなければいけないという正式な決まりはないのですが、そのうちの一つには炊いたお米を盛ることになっています。

 

お米はお椀の中に盛りますが、このとき注意しなければいけないのは、お米の盛り付け方です。食事などでごはんをお茶碗に盛り付ける場合には、お茶碗の上の部分に平らになるようにもりつけるのが通常ですが、お供えのためにごはんを盛るときには少し形が異なります。お米を盛るお椀の中にちょうど納まるぐらいの量ではなく、お椀の上に山のように盛り上がるぐらいまで、ご飯を盛るのが仏様にお供えをする際の、本式な方法です。仏様の前にしっかりとごはんを盛ることによって、仏様やご先祖様に感謝の気持ちを伝えることができます。ごはんをお椀の上に山盛りにすると、ごはんが崩れてしまうこともありますが、崩れないようにしっかりと形をつくって、ご飯を盛り付ける必要があります。お椀の上のごはんの形にも気を配ることで、よりきれいに膳を整えることができます。

肉や魚を使わない

お米以外のお供えをする食べ物にも気をつける必要があります。基本的に仏様やご先祖様にお供えをする膳には、肉や魚などは使ってはいけないことになっています。そのために、おかずなども、肉や魚を使わずに野菜を中心にして、料理を作ることになります。畑でとれる野菜だけでなく、そのほかに山菜やきのこなども使うことができます。また、野菜ならどのようなものを使っても良いのかといえばそうでもなく、料理をするために使ってはいけない野菜もあるために、気をつける必要があります。使ってはいけない野菜としてあげられているのが、強い匂いをもっているものです。具体的に言えばねぎやにらなどが、そうした強い匂いをもっている野菜にあたります。ニンニクなども独特の強い匂いを持っているために、仏様に供える料理には使えないことになっています。こうした強い香りを持っている野菜を避けながら、仏様が喜ぶような料理を作って盛り付ける必要があります。

 

また汁物を作るときや、おかずに煮物を作るときには、作り方にも注意が必要になります。材料に肉や魚を使わないようし、ねぎやにらなどの匂いの強いも入れないようにするだけでなく、味付けの方法も特別の方法で行うことになります。

 

通常の場合だと、汁物や煮物で汁の味付けをする場合にはだしをとる必要がありますが、このだしのとり方にも気をつける必要があります。肉や魚を具材として使用してはいけないだけでなく、だしをとるのにも使用してはいけないという決まりがあります。そのために魚から作られた乾物などを汁の中に入れて、だしをとるということも禁じられています。汁や煮物に使うだしの味付けをする場合には、植物が原料のものを使用してだしをとる必要があります。こうすることで、より徹底して肉や魚を料理に使わないでお供え物を作ることができます。

並べ方にも決まりがある

完成した料理はお膳の上に並べて供えますが、並べ方にも正式な決まりがあります。4つのお椀のうち、お米を盛ったものと汁を持ったものは、横に並べます。そのほかの二つもそれぞれ横に並べます。これらの4つのお椀の中心には、これらの者とは別に高杯をそなえるのが、本式の方法になっています。お椀のほかに膳の上に仏様が食事を食べるための箸を用意しておく必要があります。箸は仏様が食べやすいように、仏様に近い側の膳の上に並べておきます。なお、仏様とご先祖様の両方にお供えする場合には、箸は二つ用意しておく必要があります。

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