お坊さんがよくスクーターに乗っているところを見かけるのですが・・・
日本の宗教というとやはり、仏教をイメージする人は多いかもしれません。実は文化庁の宗教年鑑によると平成29年度では仏教徒は48.1%、神道系が46.5%、キリスト教が1.1%、それ以外の宗教が4.3%となっているようです。
日本の季節行事とお坊さん
これを見て考えると、やはり古くから日本の文化に入ってきた仏教や、また文化としても根付いている神道系の信者が多いという事に納得してしまうのではないでしょうか。
古くから、日本の季節の行事には、知らず知らずにこういった宗教関連の行事が入ってきています。お正月には初詣であったり、お盆やお彼岸などについても、自然と神社やお寺に行くという事がよくあります。そういった意味でも、お坊さんとは切っても切れない縁があると言ってもいいのかもしれません。
仏壇も時代に合わせてコンパクトに
最近では、核家族化が進行して、先祖供養や仏壇を自宅においていないというような若い夫婦のご家庭も増えているようです。昔は必ずと言っていいほど、大きな仏壇が、広い部屋の重要な位置に陣取っていたようにも思います。代々のその家のご先祖様を祀り、しっかりと毎日を安全に過ごして行きたいという思いが、形になっているのがお仏壇です。重厚な飾り付けがされているものなどは、本当に見るだけでもすばらしいものがあり、素材や造りなどがしっかりとしていることから、そのお値段自体もかなり高額なものとなっていると聞いたことがあります。
しかし、最近はそのようなお仏壇よりも、小さくてコンパクトなものをお部屋の小さなスペースを利用して設置するというようなご家庭も増えているようです。それこそ、数万円で購入できるような手軽な金額で入手できるという事も、魅力で、気負わずにご先祖様を拝めるということも若い人には良いのではないでしょうか。
お盆の時期のお坊さんは大忙し
また、お坊さんとのお付き合いについても、お盆の時期の法要に家に招いてお経をあげてもらうというご家庭も、だんだんと数を減らしているようです。高齢化が進み、お寺さんとのお付き合いもできなくなってきているというのが実情なのでしょう。
とはいえ、そうは言ってもお盆の時期には、お坊さんの稼ぎ時というのが正直なところですから、灼熱の太陽の下、檀家を駆け回っているお坊さんの姿を見かけることも良くあります。袈裟を着て出かけなければならないわけですから、かなり大変なお仕事だなと感じてしまいます。
さて、そんなお盆の供養の時に、お坊さんをお家に来ていただいた時にお接待について気にかかることはないでしょうか。熱いさなかに来ていただくのだから、飲み物やおしぼりを用意しなくては・・・というようなことぐらいで想像がぴたりと止まってしまう事がないようにしてくださいね。というのもスクーターに乗っている姿を見かける事が多い時が尽きませんか。
なぜお坊さんがスクーターに?
お坊さんがお盆に、沢山の檀家さんを回る際、スクーターを利用することがよくあるそうです。なぜスクーターを利用するのかなと思ってしまいますが、実は昨今の国内の交通事情や立地にも大いに関係しているそうです。もちろん高級車を難題も持っているようなかなり豪華な生活をしている方もいらっしゃるようですが、それでもスクーターをわざわざ利用するにはそれなりに理由があって・・・。檀家さんのお家に必ず駐車できるスペースがあるとは限らないということが一番の理由だそう。
確かに、せっかく車に乗って出かけても、家について駐車禁止の場所に路駐するのはNGですし、かといって近くのパーキングを探すのも、非常に時間がかかります。さらに停められたとしても、その分のお金が発生してしまいます。さすがに駐車料金を浮かすために、読経の時間を短くしたり、途中で端折ってしまったりという事もさすがに出来かねるでしょう。そのため駐車スペースを気にせずに訪問できるスクーターは、コンパクトに住宅街を走り回れる重要なお盆の時期の相棒なのだと考えられます。
仏教やお寺とのお付き合いの重要性
最近は、若い人がお盆に帰省しないという事も、仏教との縁がつながらないという事も言われているようです。確かに、仕事が忙しくて帰省している暇もない、さらには帰省するにもお金がないというような本音もチラホラきかれます。
お布施はお気持ちでと言われた際に、どのぐらい包めばいいのかというような知識もないままに、いきなり自分がお寺とのやり取りをすることになるのも、不安な人も多いのではないでしょうか。ご先祖様から引き継がれている知識などは、だんだんと受け継いでいく必要があることも多いです。帰省をきっかけに、ご両親や、祖父母や御親戚と話す機会も得られることでしょう。そういったタイミングを見て、自分のために知識を増やし、供養の方法やお寺とのお付き合いの方法を学ぶという事も重要ではないかと思います。
お寺さんとのお付き合いは、難しいものと考えがちですが、スクーターに乗って一生懸命檀家回りをされている坊さんを見かけたら、意外とつきあいやすいかもと思ってみるのもいいのでは。