はじめての葬式仏教

法事

法事と法要の違いってなに?

法事と法要の違いはあまり明確に意識される事はありませんが、実はその意味は明確に異なっているので注意をすることが必要です。特に一般の人の場合には混同をしてしまうことが多く、言葉を使い分けずに不用意に使用してしまうことも多いものです。しかしお坊さんなどと話をする場合にはこれをしっかりと分けないと、トラブルに至ってしまうことがあるため注意をしなければなりません。

法事と法要は明確に違う?

法要は遺族が故人を偲び、冥福を祈るために行うことを指し、これは追善供養と呼ばれているもので、これを行うことで故人の善行となり、極楽浄土に往生できると言われているものです。一方、法事はこの追善供養を含めたその後の会食など1連の行事を含めて指す言葉となっており、法事の中に法要が含まれる形となっている点に注意が必要です。

お坊さんは明確に分けている

両方とも追善供養を行うことに変わりは無いため、あまり違いがないのではないかと思う人も多いものです。しかし、実際にはこの言葉の取り違えにより様々な問題を生み出すことがあるので、気をつけて使わなければなりません。特にお坊さんに対して依頼をする場合、法事と言うと会食まで含まれるため予定の時間を長くとらないければならなかったり、お坊さんによっては万が一お酒を飲むことを考慮し車やバイクでの移動を控えると言うことになりかねないのです。また時間が長くかかるためにその費用も高額なものを請求されてしまうことが多いため、注意をしなければなりません。単純に法要と言う形で依頼をした場合には追善供養のみでその他の行事は行われないことから、忙しい中でも時間を割いて対応をしてくれるケースが多く、また費用もそれほどかからないものとなっているのです。さらに親族に対しても同じように、言葉の意味を知っている人にとっては様々な準備をしなければならないことから、その言葉を使い分けることが必要となります。

法事と法要は外見的には似たような内容となっているため、どちらで言っても同じではないかと言う考えを持つ人も多いものです。実際に当初は会食を含めて行う予定であっても、実際には様々な事情により会食は行わずに追善供養だけで終了してしまうと言うこともあり、また逆に追善供養だけで解散をするつもりであっても、その場の雰囲気で会食をするようになると言うことも少なくありません。そのため、その状況の中でどちらに変化するかわからないものに対し初めから言葉を使い分けるのはナンセンスだと考える人も多いものです。しかしこれらの言葉を使い分ける事は非常に重要な意味を持っており、また先祖を供養する心構えにも大きな違いがあると考えられます。

人によっては参加の判断にも

追善供養だけの場合には亡くなった人に対して強い思い入れを持つ人は万難を排して参加することが少なくありません。目的がこの追善供養のためだけに集まることになるので、非常に緊張感が高く、参加するべきであると言う思い入れが強いものとなっている傾向があるのです。そのため遠方からでも参加をしたいと言う人が多く、日程の調整や様々な段取りなども厳格に行われる傾向があります。しかし法事の場合には一般的な行事と考えられる面が強いため、遠方の人は様々な自分の都合を鑑み、参加しないと言うケースも少なくありません。特に厳粛な雰囲気の中で行われる追善供養の後で様々な話を聞くことになる会食には参加したくないと考える人も存在するため、このどちらかで出席するかどうかを判断していると言う人も多いのです。

本来追善供養は親しい親族が集まり、亡くなった人を忍びながらその思い出話に花を咲かせることが少なくありません。この場合には亡くなった人が話題の中心であり、また様々な今後の話題も真剣に話し合われることが多いのです。親族との会食と称してお酒を飲んだり、おいしいものを食べる事は亡くなった人に対して失礼であると言う考えを持つ人も多く、このような人は参加を控えてしまうことが多いため注意をしなければなりません。

言葉の違いからトラブルを招く事も

多くのお坊さんはこの言葉を明確に区別し、様々な話題の中でもその意味合いを熟知した上で話をすることが多いものです。特に一緒に生活をしていた家族にとっては非常に悲しいものとなることも多いため、その中で会食を含めた行事を企画する事はあまり好ましいものではないと考えられています。一般的に葬儀の様々な段取りやこのようなお寺での所用を司る場合には、最も親しい関係である家族にその段取りを依頼するのが一般的です。単に集まって亡くなった人を偲ぶだけであれば家族も入りやすいのですが、会食などを行った場合には様々な話題が発生することになる聞きたくない話も聞かなければならないと言う問題が生じます。さらにその飲食の代金を家族が負担しなければならなくなってしまうことが多いため、注意をしなければならないポイントとなっています。この2つを上手に使い分けることがスムーズにこれらの行事を済ませることができる秘訣となっているのです。

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