知っておきたい法要の食事やお布施・供養について
亡くなった方の冥福を祈る供養には様々なものがあります。お通夜やお葬式をしたらそれで終わりというものではなく、その後もいろいろな仏教式の行事である法事があるものです。しかしそもそも法事と法要とはどのような違いがあるのかと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。どちらも同じように使われていることもあるかも知れません。しかしこれらの2つには違った意味があるので、トラブルを避けるためにも違いを知っておくことをおすすめします。
法事と法要の違いとは?
まず法要ですが、こちらは僧侶にお経を上げてもらい、参列者は順番に焼香をする追善供養の事を指しています。
一方、法事とは僧侶にお経をあげてもらうこととその後に行われる会食までを含んだ行事の事を指しているという違いがあるのが特徴です。法要の後には参列者や僧侶が一緒に会食をする流れになっているのが一般的でしょう。これらをまとめて法事と呼んでいるのです。このような法事は様々な機会に行われるものがあります。例えば忌日法要は、亡くなった日から数えて7日ごとにおこなうもので、命日から初七日、四十九日までが7日ごとに定まっています。しかし14日目から42日目までは省略されることが多いです。そして四十九日の次は100日目となる百ヶ日になります。このような忌日に行われるもののほかにも、納骨をする際や新たにお墓や仏壇を購入した際に行われるもの、故人の命日におこなう法要などもあります。故人が亡くなってから1年目は一周忌で、2年目は三回忌となるのが特徴です。そして6年目に七回忌がおこなわれますが、その後は規模が小さくなっていき、行う場合には遺族だけになったり省略されるようになったりすることがあります。弔いあげとなる32年目の三十三回忌は遺族や親族だけで行うことが多いですが、故人の友人や知人を呼ぶこともあります。
お斎とは何か?
仏教式でおこなう法事にはお斎と呼ばれる会食の席が設けられるのが一般的です。僧侶が読経を終えた後には、参列者や僧侶をもてなすために食事を振る舞われます。そして食事をしながら故人を偲ぶ機会になるのがこのお斎です。もし食事をしない場合には、引き菓子や料理を持ち帰り出来るようにして渡すのが一般的となっています。まず命日から7日目におこなう初七日には、火葬が終わったあとに骨上げした遺骨を持ち帰っておこなう還骨法要が終わった後に僧侶を招いて会食をします。納骨をする四十九日や初めてのお盆で法事をするとき、さらに一周忌にもおこなわれるのが一般的です。三回忌以降になると遺族や親族だけでおこなうことも増えてくることになります。僧侶が参加しない場合には、お布施と車代に合わせてお膳料を渡しましょう。ちなみに僧侶が参加する場合にはお布施と車代を渡します。
お布施の意味と相場
そのような場合僧侶を呼んで読経をして貰う法事の際には、どの程度の金額を渡す必要があるのか、と疑問に思う人もいるかも知れません。またそもそもお布施にはどのような意味があるのか、気になることもあるものです。現代では、お布施は僧侶に渡すための謝礼であると思われています。しかしそもそもは修行の1つと考えらえていました。仏教では生ながら仏の境地にいたるためには6つの修行があります。その1つが見返りをもとめることなく、自分の持ち物を他人に施すというものです。6種類の修行の1つがこの布施と呼ばれるものでした。とはいえ現代では僧侶に感謝の気持ちを込めて渡すお金という意味があります。そして僧侶やお寺に支払うというよりは、僧侶に渡すことでお寺に祀られているご本尊に捧げるという意味もあります。
そのようなお布施ですが、一般的にどのくらいの金額が必要なのかは気になるところでしょう。基本的に故人が亡くなってから間がない場合には金額が高い傾向にあり、時間が経つに従い金額も少なくなってくる傾向があります。例えば亡くなってから49日目にあたる四十九日には3万円から5万円ほどが相場といえます。1年目の命日にあたる1周忌も同じように5万円から3万円程度が一般的です。しかし2年目となる三回忌以降になると1万円から5万円程度が相場といわれています。とはいえそれぞれの地域やお寺との関係によっても違う場合があるので、それぞれの地域や家での慣習を確認しておくことをおすすめします。またもしお寺以外のところで法事をおこなうために僧侶に来てもらうという時には、車代として交通費を渡すのがマナーです。また法事の時の食事に僧侶が参加されない場合には、前述したとおり御膳料を渡します。車代や御膳料はそれぞれ5千円から1万円程度が相場となっています。
供養の広義の意味
葬儀をはじめ法事には様々なことがありますが、そもそも供養とは何かと思う人もいるかも知れません。僧侶を呼んでお経を読んでもらうことやお墓を建てることもその1つです。しかしそれだけではなく、仏壇に向かって個人的に手を合わせたり、お墓参りに行ったりすることも含まれています。そのようなことから、供養とは亡くなった方の冥福を祈ることといえます。