葬儀の受付は誰がやる?もし受付を頼まれたら。
亡くなった方の通夜や葬儀に参列する場合、受付で名前を記帳し、香典を出してから参列することが一般的です。しかし、親族や家族がなくなった場合は、参列する時と同じルールでは通用しません。遺族や親族にはやるべきことがたくさんあるからです。誰に受付を任せたらいいのか、どんな仕事内容なのか、服装やマナーはどうしたらいいのかを理解しておくことで、葬儀に参列した人の心に残る良い葬儀となるかどうかが決まります。
受付は誰が適任?
一般的には誰に任せてもいいといわれていますが、弔問客に最初に対応する人です。失礼なことがあってはいけません。そのため、ある程度遺族や親族からの信頼が厚く、礼節を重んじることができる人を選ぶことが通例です。ただし、悲しみに暮れている遺族がやることはあまりありません。もちろんやってはいけないということではなく、ほかにもやるべきことがたくさんあることや、精神的に不安定な状態で行うことは避けたほうがいいといわれています。そのため、やらないことが一般的です。親族の中でも比較的故人との縁が薄く、ある程度冷静に対応できる人の場合は選ばれることもあります。
たとえば、曽祖父がなくなった場合、ひ孫が受付を担当するということも少なくありません。甥や姪、いとこや孫、ひ孫といった比較的若い世代が選ばれるといいます。それ以外の場合は、個人の会社関係の人や故人の友人、知人が担当することが多いです。近隣に住んでいる人に依頼する場合、礼節を重んじる人格の人であれば問題ありません。ただし、金銭的なトラブルを回避することを考えてあまり依頼しないことが多いです。そのため、ある程度遺族と顔見知りで信頼できる人格者を選ぶことが少なくありません。ただし、人がいない場合には葬式を依頼する会社の担当者に依頼し、お金の管理だけを親族が請け負う場合もあります。誰かに頼むことが難しい場合、葬式を依頼する会社に相談してみるといいでしょう。
なお、家族葬の場合はこの限りではなく、直系の親族が受付をする場合もあります。
主な受付の業務とマナー
受付は、弔問客の応対が主な仕事です。まれに「遺族の誰かに直接あいさつしたい」といった具体的な案内を頼まれることなどもありますが、その際は係の人を呼び、対応してもらいましょう。その場を離れることは、仕事を放棄することにつながるため、絶対に避けてください。
最初に来てくださった弔問客に頭を下げ、芳名帳に記帳を依頼するか、すでに書かれている芳名カードを受け取ることから始まります。その後、弔問客のあいさつにお礼を述べ、香典を受け取りましょう。受け取るときには片手で受け取ると無作法に見えるため、必ず両手で受け取ってください。また、受け取るときには「お預かりいたします」あるいは「お預かりします」という言葉とともに、一礼することがマナーです。地域や遺族の意向によって異なりますが、返礼品をその場で渡すときにはその場で渡してください。渡さない場合は返礼品を受け取る係を別で用意することがあるため、気にする必要はありません。返礼品を渡す、渡さないにかかわらず、「会場はこちらになります」と会場について正確に伝えることが必要です。会場内へのドアが閉まっている場合、高齢者や車いすなどで弔問に訪れた人にはドアを開けるなどささやかなサポートを行うといいでしょう。冬季に屋内会場で行う場合、クロークのような設備があれば上着を預かり、代わりに番号札を渡すなどの配慮も必要です。弔問客が立ち去ってから香典を会計担当者に渡してください。弔問客が立ち去ってから渡すことがマナーとなっています。
受付時の服装
担当する人の服装としてはお通夜や葬式に参列するときと同様の服装が正しいマナーです。男性の場合は上下のブラックスーツで、ワイシャツは白、ネクタイや靴下は黒が必須となります。靴は装飾品や光沢のない黒い靴がいいでしょう。髪形に関しては清潔感のある髪型が大切です。長髪であれば後ろでまとめておくと失礼にあたりません。ピアスなどのアクセサリーは外しておきましょう。
女性の場合、黒のワンピースかスーツ姿が一般的です。靴やバッグなどは光沢や装飾品がない黒で、ストッキングも黒か肌色で統一してください。かかとの高い靴の場合脚に負担がかかるため、避けましょう。アクセサリーは真珠のピアス、イヤリング、ネックレスのみが許されていますが、持っていない場合つける必要はありません。メイクに関しては、ナチュラルメイクであればそれほど失礼には当たりませんが、赤い口紅など華美な色のメイクは失礼にあたるため、絶対に避けてください。髪の毛が長ければまとめ、清潔感のある服装が望ましいでしょう。
まれに中高生が手伝いをする場合もあります。その場合は学校の制服を身に着けていれば問題ありません。ただし、私服校の場合、紺やグレー、黒のブレザーやセーターとズボンやスカート、白いシャツ、黒い靴下で参列してください。