お通夜の受付で気を付けるべきマナーについて
お通夜の受付は、遺族に代わって弔問客をお迎えする非常に重要な役割があります。弔問客からお悔やみのあいさつを受けたら香典を受け取ります。記帳をお願いしたり荷物の一時預かり、弔電などの届け物の対応まで、その仕事は多岐にわたります。
お通夜の受付にもさまざまなマナーが
訃報は突然のことであり、受け付けも突然お願いされることが多いでしょう。いざお願いされると分からないことも多く、不安がつきまとうかもしれませんが、受付にも様々なマナーがあることから、しっかりと頭に入れて臨む必要があります。
お通夜の雑務に関しては基本的に葬儀場にいるスタッフが引き受けてくれるものですが、受付の場合には現金を扱わなければならないので、主催者側が準備することが通常です。最低2名以上が必要となり、弔問客が多くなることが予想されるのであれば芳名帳を複数用意したり、人数もその分増えることになるでしょう。
亡くなった人と関係がやや遠い親族が行うことが多く、親や子、孫などといった直系以外の親族が受けることになるでしょ。場合によっては町内会や会社の人、友人や知人などに依頼するケースも見られます。
小規模の葬儀を行う場合には、親族がその役割を担うこともありますが、親族が担当するとなると十分に故人とお別れができないケースも多く、十分な注意が必要です。
受付の事前準備
一般的な役割としては、まず最初に受付の準備をすることから始まります。会場の構造をしっかりと確認し、トイレの場所を聞かれることもあるため、トイレやクロークの場所などはしっかりと覚えておきましょう。
場合によっては弔問客への案内が必要になることもあります。道具をそろえてすぐに使える状態にする必要がありますが、これらの準備は開始する30分前までには済ませておきたいところです。
弔問客が訪れた後は丁寧に挨拶をして香典を受け取るようにします。香典を受け取ったら芳名帳への記載を促すことになりますが、これがすんだら返礼品を手渡します。会計に香典を渡し、その後の香典は会計が管理することになるでしょう。そのほかの役割としては、クロークがある場合には上着や荷物の預かり、供花や供え物などがあった場合には葬儀場のスタッフに渡したり、祭壇に供えてもらうなどの対応が必要となります。
受付のやり方にも地域差が
これらのやり方はすべて地域や習慣により異なりがあります。北海道の場合は香典に対し領収書を発行する必要があり、ある地域ではその場で香典袋を開き、金額を確認する習慣があるところもあります。
地域により独特の習わしがあるケースも多いので、引き上げた場合には親族に事前に確認することが求められます。
服装に気を付ける
お通夜の受付で気を付けるべきマナーとして、まず第一には服装があげられるでしょう。服装はほかの参列者と同じで問題ありませんが、男性の場合には黒のスーツに黒の靴と靴下、女性の場合には黒のワンピースやスーツ、靴とストッキングも黒で合わせると良いでしょう。メイクは薄めに施し、髪の毛もさっぱりとまとめてあると良い印象を与えることができます。黒のものであっても金の金具がついているものや光沢のあるものは、できるだけ避けるのが無難です。
お通夜の服装は以前までは地味であれば平服でよいとも言われていましたが、現代ではフォーマルな喪服を着用する人ほとんどです。終始立ったまま対応し、あちこち動き回る必要もあるので、女性の場合にはあまりヒールが高くない履きやすいものを用意した方が安心です。
始まる前には身だしなみや持ち物などもしっかりとチェックするようにしましょう。数珠やハンカチなども忘れずに用意し、筆記用具なども持っていくと安心です。1時間前までには会場に到着し、最初に喪家にあいさつを行います。打ち合わせをする際にも祭壇に一礼をしておきましょう。
マスクなども注意
マナーとしては、風邪や花粉症などが流行している時期であっても、マスクは外しての対応が望ましいでしょう。体の状態が悪く着用しなければならないのであれば、誰かに交代してもらったり、マスクをしたままでもよいかどうかを遺族に了承を得る必要があります。
弔問客であっても焼香やあいさつを行う場合には、たとえ短時間でもマスクを外すのがよいとされています。
そして基本的には笑顔は場違いとなってしまうので気をつけましょう。仲の良い友人が来たとしても、話す際にはトーンをなるべく落とし、できる限り小さな声で対応することを心掛けます。はきはきと話した方がよいかもしれませんが、このようなお通夜の場では似つかわしくありません。あいさつ以外はできる限り言葉は少なく控えめにすることが望ましいです。
預かるという立場
香典を受け取る際には、うっかりとありがとうございますと言いそうになるかもしれませんが、この時には、お預かりします、ご丁寧に恐れ入りますなどの言葉がふさわしいでしょう。たとえ主催者側に立っていたとしても、遺族でない限り香典を預かる立場であることを意識する必要があります。
もしもわからないことがあったら、そのままあやふやにするのではなく、一つ一つ確認することが重要です。