法事ってなに?意味と種類
法事というのは遺族が故人をしのんで、冥福を祈るために行う追善供養のことで、弔い上げまで継続して行うものです。忌明け法要後の一周忌の法事は、僧侶に読経してもらうことが多くなっています。しかし近年では故人の友人、知人は招かないで遺族と親族のみで、小規模に行うことが増えているのです。また一周忌を過ぎると遺族だけで拝礼を行うだけにするなど、簡略化されつつあります。
法事はいつ行うのが良いの?
法事は祥月命日に行うのが望ましいものですが、集まる人の都合により休日に行うこともあります。その時には命日より前の休日に行います。年を重ねていくと供養する対象も増えてきてしまいます。七回忌以降は他のご先祖様の法要と合わせて行うこともできるのです。これを併修と呼んでいて、併修を行うときには命日が早いほうに合わせた日程で執り行います。
年季法要も基本的には、忌明け法要と内容は同じです。決まった形式はありませんので菩提寺と相談するようにしてください。案内や供物についても忌明け法要を参考にしてください。いつまで忌明け法要のような大規模な法事を行うのか、これは親族で話し合って決めましょう。近年では年忌法要という考え方ではなく五周年、十周年など区切りが良いときに遺族や親族が集まって会食するというスタイルもあります。形式にとらわれず、ホテルで会食を行って散会ということが多いようです。ホテルでも法宴といった法要の会食向けのプランを用意しています。
法事は何度行うの?
法事は弔い上げ、つまり三十三回忌まで続きます。宗派によっては五十回忌を弔い上げとしていますので、この場合五十年間供養を続けることになります。当然その間、世代交代が行われることもありますので自身が親から受け継いだことを次の世代に伝えていきましょう。特に自身がお布施の金額やしきたりで迷ったりわからなかったりしたことは、次の世代も同じように悩みます。自身の経験を伝えるだけでも、この負担を減らすことができます。お葬式でお世話になった人はだれかということも含め、法要の機会に伝えておくことをお勧めします。
仏教では中陰の七仏事と言って、死後七日ごとに法事を営み死者を弔うこととなっています。その弔いの最終回が、四十九日です。昔はここまでが葬式とされていたのです。四十九日には故人の友人や知人を招いて、忌明けの法要を営みます。この忌明けの法要の後には百か日、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌と営んでいきます。特に三回忌までの法要が重要とされています。注意したいのは三回忌で、この法要は二年目の命日に行わなければなりません。つまりお葬式が終わってから毎年法要を行っていく感じとなります。十三回忌以降は三十三回忌、五十回忌に法要を行っていきます。十七回忌や二十五回忌に行うこともあります。
仏教以外の宗教の追悼の儀式
法要というのは仏教に限った行事なのですが、他の宗教でも法要に代わる故人の追悼の儀式があります。神道では霊前祭と祖霊祭を営みます。霊前祭はまず葬儀の翌日に翌日祭を行い、以降亡くなった日から十日ごとに十日祭、二十日祭、と五十日祭まで行うことになっています。五十日祭が忌明けとなる大切な祭儀です。百日目には百日祭、一年目には一年祭を行います。祖霊祭は三年祭、五年祭、十年祭と営み以降十年ごとに五十年祭まで行います。式では斎主が祭祀を奉上して遺族や参列者が玉ぐし奉奠を行うのが一般的です。葬儀の時と同様に、神社では行わず墓前や自宅などで行うことが一般的になっています。
キリスト教の場合カトリックとプロテスタントの場合で、追悼供養の仕方が違ってきます。カトリックの場合は特に決まりはありませんが月の命日や年の命日などに命日祭を行うことがあります。プロテスタントの場合
特にこれといった決まりはありませんが、一般的には死後一か月目や一年目などの命日などに記念会を行っています。
最近では偲ぶ会や思い出を語る会など、特定の宗教や宗旨にこだわらないオリジナルな追悼会も増えてきています。関係者を招いて会食するだけでも構いませんが、人数が多い場合締まりのない無目的な会になりがちです。式場内に故人の写真や趣味の作品を展示したりして、式次第を工夫してみてください。
初盆の法要
仏教の法要に戻りますが、葬儀が終わった後の一週間ごとの法要と、年ごとの法要があると説明しましたがそのほかにも初盆の法要というものがあります。お盆というのは七月または八月の十三日から十六日の期間を指していますが、この間に先祖の霊が家に戻ってくるとされていて、全国各地で様々な行事が行われています。特に故人がなくなってから初めて迎えるお盆を初盆と呼び親族を招いたり僧侶にお経をあげてもらうなどして、盛大に法要を営む地域があります。初盆の時には親戚が遺族に白張りの提灯を送るのがしきたりになっています。この提灯は門前につるしたり、仏壇や精霊棚のわきに飾りお盆の最後に送り火で燃やします。最近では、初盆にも特に何もしない家も増えています。