法事の香典相場はいくら?知っておきたい知識
人との関係性によって変わってきます。
法事と法要の違いとは?
そもそも法事とは何のことを指しているのかを確認しておきましょう。法事は、お坊さんにお経をあげてもらう法要と、その後に施主がお坊さんと列席者を招待して会食をする席をおこなう行事のことです。法要は故人の供養のためにおこなわれ、故人を偲び冥福を祈る意味があります。
法事のタイミング
そのような法要をするタイミングは、仏教によって決められています。初七日から四十九日までの7日ごとにおこなう忌日法要と、一周忌からはじまる年忌法要です。しかし現代では忌日法要は7日ごとに営むのではなく、初七日と四十九日におこなうのが一般的となっていて、葬儀と初七日を合わせて執り行うことも少なくありません。年忌法要も仏教では五十回忌・百回忌などまでありますが、三十三回忌で年忌止めとするのが一般的です。さらに7回忌以降は毎回することも少ないでしょう。
葬儀・告別式の香典の相場
このように数ある法事の中でも、最も香典の金額が重視されるのは葬儀・告別式です。金額は故人との関係やその人の年齢によって違ってきます。亡くなったのが両親の場合には20代までの人なら3万円から10万円、30代なら5万円から10万円、40代以上の人の場合には10万円以上が相場です。故人が兄弟や姉妹の場合には、20代やそれよりも若い人なら3万円から5万円程度、30代以上なら5万円から10万円程度が相場となっています。一方、祖父母や甥・姪が亡くなった場合には1万円から5万円、叔父や叔母の場合には1万円から3万円程度が相場です。初七日を葬儀と一緒におこなう場合には、葬儀の半分程度を初七日分として上乗せするのが一般的です。
初七日や四十九日の香典の相場
初七日を葬儀とは別に行う場合や四十九日の相場は、故人が両親なら3万円から10万円、兄弟や姉妹の場合には1万円から5万円、そして祖父母や叔父・叔母・甥・姪の場合には5千円から3万円程度が多いようです。そのほかの親戚や友人などは3千円から1万円程度が相場です。あまり見られませんが、初七日から四十九日までを7日ごとにおこなう場合には、それぞれのそれぞれの香典の相場も低くなります。
一周忌や三回忌の香典の相場
故人がなくなって1年の節目となる一周忌と2年の節目となる三回忌の香典の相場は、葬儀や初七日・四十九日と比べると低くなる傾向にあります。身内だけでおこなわれることも多くなるでしょう。亡くなった方が両親や兄弟・姉妹の場合には1万円から5万円が相場です。そして祖父母の法要をおこなう場合には5千円から3万円程度が多いようです。また叔父や叔母・甥・姪の法要なら3千円から1万円くらいが相場となっています。いとこをはじめとしたその他の親戚や友人などの一周忌・三回忌の場合には、3千円から1万円というところです。このとき、一周忌はするけれども3回忌はおこなわないといった場合には、やや高めの金額を渡すことが多いでしょう。
七回忌や13回忌の香典の相場
3回忌の後の7回忌や13回忌といった法要になると、親族だけが集まったり、法要を毎回行うということもなくなってくることが多くなります。そして年忌法要の回数が増えるごとに相場も低くなるのが一般的で、お金のやり取りをしないケースもあるでしょう。しかし相場としては両親や兄弟姉妹の場合には1万円から3万円、祖父母をはじめその他の親戚の場合にも5千円から1万円程度となります。友人などの親類以外の人の場合には3千円から1万円くらいが相場です。
このように法事の香典の金額は故人との関係に左右されていて、必ずいくらと決まっている物ではありません。故人と近い関係にあり、社会的地位や年齢が高い人ほど、高い金額を包むのが一般的となっています。また故人が亡くなってから時間がたつに従って、法事の規模も小さくなっていき、金額の相場も下がっていくことになります。法要の後に、お坊さんや列席者を招待した会食があることになっている場合には、その分も含めて金額を決めるのがポイントです。
香典の金額にも注意が必要
さらに注意したい点としては、香典の金額に関する数字についてです。日本ではあまり縁起が良いとされていない、4や9といった数字を避けるのがしきたりとなっています。これは発音から「死」や「苦」を連想してしまうためです。そのため金額を決める時には、これらの数字が含まれない額を選ぶようにしましょう。合わせて知っておきたいことには、新札を使わないで折り目が付いている旧札を使うということがあります。これは綺麗な新札だと、受け取った側にまるであらかじめ用意していたようだと感じられてしまうことを防ぐためです。また金額には1・3・5など奇数の額を選び、割ることができる偶数の額も避けましょう。縁起を担ぐことは、相手への思いやりやお悔やみの気持ちを表すことになります。