散骨をするなら山で
昔は人が亡くなれば、先祖代々のお墓に骨を埋めるのが主流でしたが、今は家族と疎遠であるからという理由や、お墓に縛られずに自由になりたいということもあり、お墓を持たないという人も増えてきています。特に夫婦仲が悪かった人や、配偶者の両親とうまくいっていなかったような人であれば、そうした家族と一緒のお墓に入りたいとも思わないものです。
散骨が増えてきている理由とは?
人生に疲れていて、この世に未練がないような人も同様ですから、昔のように一つの方法ではなく、色々な方法を選択できるというのも良い事です。また、自分の骨はずっと残しておきたいと考えるような人であっても、たとえお墓を持つにしても樹木葬であったり、個性的な石のお墓であったり、個人の意思が大きく反映されているものです。デザイン性豊かなお墓は自分の個性を反映できるともいえるので、若い人にも人気でしょう。若い人はお墓にこだわることも少ないですが、自分の親のお墓はそうしたいと考えることもあるものです。
そこで、ここ近年増えてきているのが散骨です。海が好きな人であれば海に散骨されることが多いですし、逆に山が好きな人であれば山にする人もいますし、風に乗って自由に旅ができるといったロマンも感じることができるでしょう。しかしながら、海外の海や山も個人所有の山であれば、勝手に散骨などできずに許可が要ります。ですから手続き等で面倒を感じるようなこともあります。海外のドラマなどではとても情緒深く散骨を行っている場面も良く見ますが、そうしたイメージ通りにはいかないことも多いと頭に入れておきましょう。なので生前から散骨が良いと思うのであれば、家族に自分の意思を実行してもらうために、マナーや手続きなどを調べておくというのも良いです。ちなみに、いくら手続き等が面倒に感じたとしても、石のお墓となれば今後の管理や掃除、石の費用なども必要になってきますから今後のメンテナンスなどを考えれば、散骨はとても楽な方法ともいえます。そして、自分の大事な家族の骨を巻いてしまう行為はためらう人も居るでしょうが、人の骨はいずれ土にかえるということを考えれば、どの人も同じ道に向かうのだと考えることもできます。
お葬式や結婚式といった冠婚葬祭が自由になってきている今、埋葬やお墓に関する考えもどんどん変化してきているので、今までのお墓の在り方に疑問を感じる人や、墓じまいを考える人にしてみればとても良い方法ということもできます。山は特に四季折々の季節を感じることもできるので、自然の多い場所を好む人にも最適です。お墓の維持経費に頭を悩ます人はチェックしてみましょう。また、こうした自分の子供たちに負担をかけない埋葬方法というのは増えてくる可能性があります。少子高齢化の影響で日本の人口は減ってきてはいるものの、老人ばかりが増えてしまうことでお墓の数も場所も足りなくなってくるのが安易に予想できます。こうした時、大きく幅を取るお墓は欲しくても手に入らない時代にもなってくるでしょう。お墓にこだわる人も、執着しなくても満足できる方法を見つけていくのが良いです。
海外の散骨事情
こうした方法というのは日本だけでなく海外でもすでに始まっています。特にお墓やご先祖様の埋葬にこだわるのはアジア圏でも多く、韓国、中国などの昔のお墓はどれも大きく立派なものです。ですが先ほども述べたような場所と費用の問題があり、コインロッカーのような納骨堂が増えてきています。山や海にまく方法も行われているので、日本だけの問題ではないのです。
変化する終活
また、昔のお墓のイメージだと暗く怖いイメージがありますが、コインロッカーのようなコンパクトなお墓程かわいく明るいイメージにもされています。なので、遺骨をまくという行為も、明るいセレモニーにして明るくお別れしてみるようにしましょう。家族仲良くしていた家庭や、大切な人であれば、自分の亡くなった時みんなに悲しい顔をしてほしくないとも思うものです。ましてやお墓のことで揉めるようなことがあれば心置きなく成仏することもできないものです。明るく良い形でお別れするという意味でも、こうした効率の良い埋葬方法を取り入れていくと良いでしょう。
また、すべての骨をまくのではなく、大きな骨だけ巻いて、後の粉上の骨をまくという方法もあります。風にのせて綺麗にまこうとすると大きな骨では無理なので、そうした一部を埋めて一部をまくという方法に変えてみても良いでしょう。残しておきたい骨があれば、その骨でお経をあげてもらうことも可能ですし、まけるものであればまいたほうが綺麗になっておすすめです。まだまだ実際にまいたという人は聞くことができないかもしれませんが、そうした終活に向けて色々情報が書かれている本などもあるので、参考にしてみると良いです。
また、自分が望んでも家族が望まないというケースもあります。そうした時はどうするかも考えておきましょう。