はじめての葬式仏教

納骨・散骨

海に散骨をするときの仕方と注意点

人が亡くなれば骨をお墓に納めるのが一般的ですが、かつては火葬をせずに土に埋葬する土葬という方法もありました。土葬をすれば土の中で肉や内臓などはやがて消えて骨だけが残ります。野生動物なども自然の中で亡くなれば骨だけが残り、それもやがて消えて無くなります。動物の場合は亡くなれば他の動物が肉などを食べるということもありますが、遺体が自然の大地や土の中で風化して消えていくのを「自然に還る」ともいわれます。

海への散骨

ここ近年「終活」という言葉が生まれ、生前に身辺の整理をしたり自分の葬式の手配をしたり墓を建てたりして、自分の死後のことを自分で考えることが一般化してきました。そんな中で自分の遺骨をどうしてほしいかという希望も多様化され、気に入った場所に自分の墓を作りその中に納めてほしいという人もいれば、自然に還りたいので樹木の下や好きな山、海などに散骨をしてほしいと希望する人も少なくありません。その中でも海に散骨をしてもらいたいと望む人が多く、ある統計では、アンケートをとった人全体の約半数近くの人が希望をするという結果が出ているほどです。

しかし、誰でもどんな方法でもできるものではなくルールがあります。火葬されたそのままの骨では何年たっても風化せずに自然に還りにくいうえ、白骨死体となった死体遺棄事件ともとられるので、必ず遺灰という2㎜以下の粉末にした骨にしてから、まとめて埋めたりするのではなく「撒く」という形で行う必要があるということです。遺骨をそのまま埋めたり遺灰であっても、埋めるという行為は法律で禁止されているからです。

どこでどのように撒くのかが良いか

また、どこかの土にしろ樹木の下にしろ、海にしろ、どこにでも散骨をして良いというものではありません。陸地の場合は特に所有者が要るので、好きな場所だからとよその人の土地に撒くことはできません。特に、陸地の場合はできる場所が限られているので確認が必要です。ただ海の場合は、誰のものという縛りがないので、割と自由に撒くことができます。それでも、漁港の近くなど漁業の人が多く出入りをするようなところに撒くのは好ましくなく、できれば漁港権のない場所でできるだけ岸から離れた場所で撒くことが勧められます。

散骨をするのに許可書や自治体への手続きも不要なのですが、2㎜以下の粉状にすることと場所を見極めること、そして埋めるのではなく撒くことというルールをしっかりと守れば、誰でも行うことが可能です。ただ近隣住民や漁港の人たちからの意見で、自治体によっては規制を設けているところもあるので、事前確認はしておくようにします。

散骨には砂浜や岩場などの沿岸で行う場合と、船で沖まで行って行う場合とがあります。沖まで行く場合はその様子を見られることはあまりありませんが、沿岸で行う場合は、ほかの人に遺骨を巻いていることを知られないように配慮することも重要です。自分の身内でもない他人の遺骨は、多くの人にとって快く受け入れられるものではありません。そのためいくら人のいなさそうな場所でも、喪服を着た人たちが何人も集まって行うなどの行為は慎む方が良いでしょう。そんな光景をもし地域住民が見れば気持ちの良いものではないし、自治体に申し出れば禁止地域になる可能性もあります。だから人に迷惑が掛からないやり方で、事前に確認をしてからルールにのっとった方法で行うことが大切で、それが故人に対する供養でもあるのです。

専門業者に頼むケースも

ところが、いくら故人の希望であるとはいえ、禁止されている場所かどうかの確認や誰かに見られずにひっそりと行うこと、自分たちだけで船を借りて遠洋まで行くなどのことが困難という場合は、費用が掛かりますが専門業者に依頼をすることもできます。専門業者が独自で船やボートを出してくれ、行いやすい場所まで連れて行ってくれるので、誰の目を気にすることなく故人様とお別れをすることができます。
海に散骨をするのに届け出などは不要ですが、費用は少しかかります。それは遺骨を粉にしてもらうための費用です。2㎜以下の粉にすることは一般の人では難しいので、粉骨専門業者に依頼をすることになります。その費用は業者や骨壺の大きさによって異なりますが、1万円前後が相場です。

また遠洋で行う場合はボートを借りる必要があり、そのためにいくらかの費用が掛かります。専門業者に依頼をすると、遺族が貸し切りで船を使う場合も他の遺族と一緒の船に乗ることもあり、遺族の身なら10万円以上するところ合同で行く場合は半額以下で済むこともあります。

専門業者に依頼をする場合は、運営する会社が葬儀社か船の会社なのかを確認することが大切です。葬儀社が運営する場合は費用は高額ですがサービスは充実している場合が多く、ボート会社の場合は安価に依頼ができます。船にトイレがあるのか、悪天候で波が荒い場合はどうするのか、危険な場所の場合断ってくれるのかということなども確認しておくようにします。

このようなことを経て、故人の希望が叶った後故人を供養したいときには、海に向かって手を合わせるようにすると良いでしょう。

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