お葬式の供花、どのくらいの相場?どんな花が適切なの?
親族や親しかった友人などのお葬式の際、弔意を表すために贈る「供花」。
どんな花を贈ればいいの?
どうしても都合が悪い場合や、遠方で葬儀に参列できない場合にも贈るものですが、その場合に気になるのが相場とどのような花を贈るかという2点です。突然の訃報を聞いて動揺してしまうのは仕方ありませんが、遺族に対して失礼にならないようにあらかじめ心得ておくことが大切です。
まず始めに考えることは「どのような花を贈るか」ということですが、これは宗教ごとに種類があります。
仏教の場合
まず、最も多い仏教式の場合は、菊やユリ、カーネーション、胡蝶蘭といったものが一般的で、白を基調とした落ち着いた色合いであることが基本です。特に菊は平安時代から高貴なものとして知られており、切っても長持ちすることと邪気を追い払うという意味を持つためお葬式で多く使われています。色は白が基本ですが、故人の性別や年齢に合わせて薄いピンク色にしても問題ありません。贈る形としては長さが80センチから1メートル前後で、ある程度束になった籠盛りが一般的です。神道式の場合も仏教式と同様に菊やユリが多く用いられます。全体的に白を基調としていることも同じで、従来は神道特有の「榊(さかき)」を加えるものでしたが、最近では遺族や神職である斎主が供えることが多くなっているため、他の人々は榊は加えない形が主流となっています。
キリスト教の場合
キリスト教の場合は洋風が主流で、仏式葬儀特有の菊ではなくユリやカーネーションが用いられます。特に白ユリは、宗教絵画の多くに描かれているようにキリスト教を代表するものであり、聖母マリアの象徴ともされているため、贈る場合は必ずメインにするようにしましょう。キリスト教での死は悲しいものではあるものの、復活の希望を持って神様の近くに行けるという意味があるため、仏式のような暗いイメージはあまりありません。贈る形も十字やハート型のアレンジやクリスマスで使用するようなリースの形などが多くなっています。
花に添える札名のマナー
なお、贈る場合には札名を添えるものとなっていますが、これにもマナーがあります。会社などで有志や部署などで贈る場合は「株式会社〇〇営業部一同」のように最後に一同を加えると共に、会社名と部署名は正式名称で書くようにします。有志で贈る場合は肩書のある人を一番右端に書くのがルールで、書ききれない場合は「一同」とまとめて名前を書いた紙を別に付けます。親族の場合は「子供一同」や「兄弟一同」のように書きますが、兄弟の連名で書く場合は一番右に長男長女、次いで次男次女の順番で書くようにします。友人の場合は人数によって書き方が変わってきます。一般的には6~8名程度なら全員の名前を書いても問題がなく、書く順番にルールがないため年齢順に書く必要もありませんが、8名以上になると文字も小さくなり読みにくくなるため「友人一同」と書くのが無難です。しかし、会社や親族、友人の何れの場合にしても全体的な配置上のバランスがありますので、葬儀社に確認しておくことが大切です。
なお、お葬式に関しては行われる地域や宗教によってさまざまな風習があります。贈られた花を参列者で分けることがありますが、「故人の魂を持ち帰る」ことになるため他人が持ち帰るべきではないとする考えを持つ地域も少なくありません。持ち帰ってよい場合は葬儀社や葬儀会場のスタッフからアナウンスがありますので、勝手に持ち帰るようなことは避けるようにしましょう。
お葬式の供花の相場は?
そして、次に贈る場合の相場です。これも特に決まりはありませんが、平均的な相場としては15000円から30000円となっています。最も多い価格帯は15000円から20000円と言われているので、この価格を意識して選ぶとよいでしょう。ただし、この相場はフラワースタンド1基の相場なので、2基で一対として贈る場合は費用も2倍になりますので30000円から40000円を予算と考えておく必要があります。祭壇に飾る籠盛りやフラワーアレンジメントの場合はスタンドタイプよりも安価で、8000円から15000円前後が相場です。しかし、何れの場合でも季節によっては価格が高い時期もあるため、出来合いのものではなく自分で花の色や種類を指定する場合は更に金額が高くなることもあります。また、特に親しかった場合やお世話になった場合など、故人に対して特別な思いがある場合はつい高価なものを贈りたくなりますが、あまりにも高額なものを贈ってしまうと遺族側に気を使わせることになってしまいますので、この相場を参考にして選ぶことが大切です。
供花を贈ることに関しては特別なルールはないため、気持ち次第で誰でも贈ることができますが、忘れてはいけないことが遺族の意向を尊重することです。最近の主流になっている家族葬や密葬などの場合には辞退したいと考えている遺族も少なくありませんので、事前に贈ってもよいか確認しておくことが大切です。